facebookで下記の様な記事に出くわしました。
【驚き】昔はあるのが当たり前だったのに、今の学校から消えつつあるもの7選おいおい、うちの会社どうなっちゃうの?お先真っ暗じゃん!!
社員たちが疑心暗鬼になりそうな記事ですが、「黒板」の部分に関していうと、事実は伝えているが、「真実」を正しく伝えていない部分が2箇所あります。
まず、「ホワイトボードや電子黒板などがメジャーになりつつあるため、チョーク製造会社が廃業」とあります。確かにチョークの市場が縮小していることは否めない!最近廃業したチョークメーカーが、約一社あることも事実。
おそらくちょっと前に各種報道で廃業を伝えられたH社のことでしょうが、業績不振もあるかもしれませんが、後継者不在が、結構大きな廃業理由だったとも漏れ聞こえてきます。
ただ、ここのチョーク、ユーザーである先生方には評判が高かったようなので、廃業を惜しむ声が多く、目立っちゃったのは事実ですね。
それじゃ他のチョーク屋さんはどうなのかというと、チョークだけを売っているところはそう多くないようなのですが、結構元気にやってらっしゃるように思えます。少なくとも廃業が相次ぐ、という状況ではありません。
現実問題として、一般の公立学校はとても厳しい台所事情を抱えており、高価なホワイトボードマーカーをバンバン使っているところなど、ほんのわずかです。安全対策をはじめ、もっとお金をかけなくてはならないところが、学校にはまだまだあるのです。
当社も学校黒板の工事を請け負っていますが、まだほとんどの学校がチョーク黒板を購入してくださいます。
次に、「文部科学省によれば2014年3月時点で、電子黒板は全国の公立小中高校での普及率は8割近くに達している。」
これも文科省発表ですから、事実かも知れませんが、この数字をもって「もう、我々の知っている黒板は絶滅寸前です…。」と言い切るのはどうかなあ。
「電子黒板が8割近く普及している=既存の黒板は2割近くにまで減少している」という誤解を招くとしたら、ちょっと問題です。多くの学校が電子黒板と既存の黒板を「併用」しているからです。
確かに、電子黒板は「理解する(わかった気になる)」ツールとしては結構強力だと、私も思うのですが、学習というのは理解した後、「記憶」として定着化し、「応用」できるようになって初めて習得した、と言えるのではないでしょうか。
そのためには、やっぱり先生が黒板に板書し、それを生徒がノートなどにまとめるプロセスが、絶対必要なのです。
このことは、実際に現場でICT教育を進める多くの先生方も認めるところです。
そして電子黒板を導入すると同時に、既存の黒板を撤去してしまった、という学校を、国内では私はまだ見たことがありません(絶対無い、と言い切れないところがつらいところですが、この辺りは業界で情報を共有していくしかありませんね)。
したがって、従来の黒板が消えつつある、というのは正確ではありません。
とはいえ少子化の中、教育業界全体が構造的な不況である以上、市場が縮小していることは事実です。
誰もが学校生活で触れ、愛されてきた黒板を、過去の遺物にしてはならない。
僕たち黒板業界に身を置く者は、黒板を始めとするアナログツールが持つ、本来の良さをもっとアピールし、もっと有効に、もっと気持ちよく使ってもらえる製品に進化させるべく、生き残りを賭けて取り組まなければならない。
それが使命だと思っています。
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