黒板屋■三代目社長のブログ

古くて新しい。身近なメディアの素晴らしさをご紹介します

"手書き"か"タブレット"か。

こんな興味深い記事に出くわしました。

“タブレットで勉強” ってほんとうに効果はあるの? ”紙で勉強” と科学的に比較してみた。
study hacker

ちなみに記事に添えられている写真の、金髪の美しい女性は、内容には一切関係がありません(笑)

むしろこんな環境では、学習効果なんて下がる一方でしょう(´∀`*)

それはさておき、コラムの中で注目すべきは、以下の2点ではないでしょうか。

『スマホやタブレット(多分PCも含まれる)のディスプレイは【透過光】、すなわち画面の向こう側から、光を直接発しているため、目には光源からの光がダイレクトに当たることで認識され、一方、紙に書かれた(そしておそらく黒板やホワイトボードに書かれた)文字は、直接光を発さず、太陽や照明の光が反射することで我々の目に入ってくる【反射光】で認識されるということ。』

『【反射光】で文字を読むとき、私たちの受容モードは自動的に、そして脳生理学的に「分析モード」になり、心理的モードは「批判モード」に切り替わる。したがって、ミスプリントを見つけやすい。
【透過光】でものを見たとき、私たちの認識モードは、自動的にパターン認識モード、くつろぎモードに切り替わる。このモードでは、細かい部分は多少無視して、全体的なパターンや流れを追うような読み取り方をするので、全体の流れを追うのには適している一方で、細部にあまり注意を向けることはできず、したがって、ミスプリントを見逃してしまう。』

確かにPCで作成した文書を、いくらWordやPDFの形式で、ディスプレイ上で推敲してもミスタイプが残ってしまい、紙にプリントアウトすると見つかり、ディスプレイで修正しているとつい他の部分を直したくなり、「よし、出来た!」と思ってプリントアウトすると、また新たなミスプリが見つかる…という無間地獄(笑)にはまるということはありませんか?

私はしょっちゅうです。

(このブログもあとでちゃっかり書き直してたりします(笑))

また、私はディスプレイ上の文書を読むとき、何となく「ゆったりした気持ち」で、「かなり大雑把」に読み飛ばしている気がしていたのは、いわゆる「パターン認識モード」「くつろぎモード」になっているのかもしれませんね。

一方で紙にプリントアウトされた文書を読むときは、右手に赤いボールペン、手元にはポストイットを置いて、かなり「分析モード」で真剣に読んでいる気がします。

他にも紙は一覧性が高く全体を俯瞰できることや、顔の向きがディスプレイは「ほぼ正面」であるのに対し、紙の文書はデスクに置いて、「俯いて(下を向いて)」読んでいることも関係があるかもしれませんね。

掘り下げて研究してみると、いろいろわかることがありそうです。

(どなたか、一緒に研究しませんか?)

私がここで注目しているのは、大勢の生徒・学生や受講者に何かを伝える時、大まかに流れをつかんで欲しい時に適したツールと、聞き手同士が活発に議論したり、きちんと要点を分析・整理し、記憶するのに適したツールは使い分けるべきある、という持論に見事に合致している点です。

すなわち前者はICTを活用した電子黒板で、後者は黒板・ホワイトボードを使った板書です。

授業・講義の導入として歴史やストーリー、静止画面では伝えにくい部分は電子黒板を使い、生徒たちを【パターン認識モード・くつろぎモード】に切り替え、パワポやアニメーションを多用して伝えるのが効果的です。

また生徒同士で議論したり、要点を整理し、記憶にとどめて欲しい部分は板書を使うことで、【分析モード・批判モード】にスイッチすれば、学習効果を高めることができそうです。

このコラムを更に読み進めると、『パソコンを使っていた学生は24時間後には記録した内容を忘れてしまうことが多く、また大量のノートを見返しても記憶を呼び戻すのにあまり有効ではなかった。(中略)対照的に、手書きでノートを取った学生は講義内容を長く記憶でき、1週間後でも講義で示された概要をよく覚えていた。専門家らは、書くというプロセスがより深く情報を記憶に焼き付けると指摘する。また、手書きのノートはよく整理されているため、復習にもより大きな効果を発揮する』とあります。

一方で『ノートパソコンで授業のノートを取る学生は鉛筆やペンを走らせる学生よりも多くの量を記録し、容易に講義についていける場合が多い』ともあります。

つまり、記録の速さは「パソコン」、学習効果がより高いのは「手書き」ということですから、板書を記録することを取るのか、じっくり理解することを優先するのか、授業のスピードと学習の質という点でのミスマッチが起きているような気がします。

だらだらと思いつくままに書き綴らせていただきました。

考えてみれば、パソコンやタブレットは私が小学生のころは、授業で使うなんて想像もしていませんでしたから、ほんの2-30年後にはこんな議論自体が無意味になるようなツールが生まれているのかもしれませんね。

いずれにせよ、子供たちは学校で、学習だけでなく集団生活や社会で生きていくためのルール、肉体の鍛錬など身につけなくてはならないことが山ほどあります。

教える側の先生方は、生徒以上にやることが多く、お忙しいことでしょう。

「学習」という側面において、より効果的・効率的に理解度や考える力を高めるツールとして、当社の製品・サービスがどのようにお役に立てるのか、また何を求められているのか、常に考えていかなければと感じさせられるコラムでした。


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[ 2016/09/21 ] 業界のおはなし | TB(-) | CM(0)

黒板の落下事故について

少し前の話ですが、平塚市の小学校で、黒板が落下するという事故が発生しました。

「小学校で黒板落下、児童軽いけが 神奈川・平塚」(朝日新聞デジタルの記事)

まずは被害に遭われた学校と、ケガをされた生徒さんにお見舞い申し上げます。

子供たちが普段通う学校の備品、しかも黒板のような大きく重量のあるものが、生徒さんを傷つけるということは、本来あってはならないことです。

黒板業界は本件について、猛省するとともに、再発防止に向けて確実な対策を打ち出さなければならないと思います。

今回事故を起こした黒板は、当社の製造・施工によるものではありませんでしたが、ここでは、日学がいち黒板メーカーとして、本件をどのように考え、対処していく方針かを述べたいと思います。

その前に、ちょっと回りくどいのですが、黒板の形態についてご説明します。

まず、学校に据え付けられる黒板には大きく分けて「固定式」と、「可動式」の二種類があります。

固定式は壁に直接取り付けられ、ボード自体は固定されて動かないもの(↓)。

21-19曲面背景あり

平面タイプ曲面タイプがあり、サイズは横3.6m・縦1.2mが一般的です。

中学校以上の普通教室に多く取り付けられています。

可動式で最もよく目にするのは、「EVスライダー黒板」「UD(UP/DOWUN)黒板」と呼ばれる、1枚の平面や曲面黒板が、上下にスライドするもの(↓)。

EVスライダー黒板

教師と生徒に伸長差のある、小学校の普通教室に多く取り付けられています。

可動式で次によく目にするのは、「上下式黒板」とか「上下引き違い黒板」と呼ばれる、2枚の平面黒板が左右の滑車によって吊り下げられたもの(↓)で、今回の事故はこのタイプで発生しました。

上下式黒板

音楽室や理科室・家庭科室など、主に特別教室で使用されます。

また幅が5mを越える大型タイプが、大学の講義室などでよく採用されています。

その他、2枚の小型黒板が左右にスライドして、その奥からスクリーンなどが現れる「引分け黒板」(↓)も可動式にあたります。

引分式黒板

当社製の黒板の表面は、アルミメッキホーローや、スチール塗装などいくつかタイプがありますが、通常使用であれば3年は書き消しに支障が出ることはありません。

ホーロー製に至っては5年以上、下手をすると10年・20年も使い続けられるお客様もいらっしゃいます。

…ところが、ここが問題で、「黒板はメンテナンス・フリー」と思い込まれる方がたくさん出てきてしまうのですが、決してそうではありません。

残念ながら黒板業界は当社も含め、この点についてのお客様への説明と、きめ細やかなアフターフォローが、不十分だったと反省すべきだと思います。

つまり、黒板もクルマ同様、「定期的な点検・メンテナンスと部品交換が必要」です!!

表面材料はとても長持ちするのですが、それを取り囲む様々なパーツには寿命があります。

例えば角の部分を保護するコーナーパーツや、粉受け(チョーク置き)部分のエンドパーツは樹脂製ですから、経年劣化で割れることがあります。

古い学校にお邪魔すると、ここが破損しているものを見かけることは、よくあります。

また先に述べた「黒板の種類」のうち、特に「可動式」の黒板は内部にワイヤーやチェーン、スプリング、回転ギア、ブレーキ装置など、外側からは見えない機械部品が多く使われ、これらの部品も摩耗や経年劣化します。

さらに可動することにより、壁との固定部分に衝撃や負担がかかり、きちんと施工されていない製品は、今回の事故のように長年にわたる疲労が原因で、突然脱落することもあり得るわけです。

今回、事故を起こした製品は、幸いにして当社製ではありませんでしたが、どこの黒板屋さんが作ったとしても、点検やメンテナンスが行き届かなければ、割れたパーツで、または保護パーツが取れたむき出しのアルミフレームで、生徒さんが怪我をすることは十分あり得ます。

当社では現在、製品に対する保証に加え、定期点検メンテナンス保証をセットにした、「こくばん安心保障・定期診断パック」を、お勧めしています。

一定の条件(数量や購入総額など)を満たした納入製品なら、契約料は何と無料!!

クリックしてチラシを表示>
こくばん・あんしん保障チラシ

「こくばん安心保障」契約を結んでいただいたお客様は、保証期間内の修理はもちろん、点検サービス料は無料です(製品の保証期間後の、修理や部品交換は有償)。

加えて、今回の脱落事故を受けて、当社製・他社製に関わらず、すでに設置された黒板・ホワイトボード・掲示板等の、安全点検を受け付けます。

まずは、今ある黒板の状況がどんな状態なのか。

プロの目で点検することで、いち早く現状を把握し、速やかに適切な措置を講じること、これが第一歩でしょう。

子供たちの安全な学習環境のために、最寄りの日学の支店・営業所にお問い合わせください。

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[ 2015/04/30 ] 業界のおはなし | TB(-) | CM(0)

黒板は絶滅寸前?!

facebookで下記の様な記事に出くわしました。

【驚き】昔はあるのが当たり前だったのに、今の学校から消えつつあるもの7選

おいおい、うちの会社どうなっちゃうの?お先真っ暗じゃん!!
社員たちが疑心暗鬼になりそうな記事ですが、「黒板」の部分に関していうと、事実は伝えているが、「真実」を正しく伝えていない部分が2箇所あります。

まず、「ホワイトボードや電子黒板などがメジャーになりつつあるため、チョーク製造会社が廃業」とあります。確かにチョークの市場が縮小していることは否めない!最近廃業したチョークメーカーが、約一社あることも事実。

おそらくちょっと前に各種報道で廃業を伝えられたH社のことでしょうが、業績不振もあるかもしれませんが、後継者不在が、結構大きな廃業理由だったとも漏れ聞こえてきます。
ただ、ここのチョーク、ユーザーである先生方には評判が高かったようなので、廃業を惜しむ声が多く、目立っちゃったのは事実ですね。

それじゃ他のチョーク屋さんはどうなのかというと、チョークだけを売っているところはそう多くないようなのですが、結構元気にやってらっしゃるように思えます。少なくとも廃業が相次ぐ、という状況ではありません。

現実問題として、一般の公立学校はとても厳しい台所事情を抱えており、高価なホワイトボードマーカーをバンバン使っているところなど、ほんのわずかです。安全対策をはじめ、もっとお金をかけなくてはならないところが、学校にはまだまだあるのです。

当社も学校黒板の工事を請け負っていますが、まだほとんどの学校がチョーク黒板を購入してくださいます。

次に、「文部科学省によれば2014年3月時点で、電子黒板は全国の公立小中高校での普及率は8割近くに達している。」

これも文科省発表ですから、事実かも知れませんが、この数字をもって「もう、我々の知っている黒板は絶滅寸前です…。」と言い切るのはどうかなあ。

「電子黒板が8割近く普及している=既存の黒板は2割近くにまで減少している」という誤解を招くとしたら、ちょっと問題です。多くの学校が電子黒板と既存の黒板を「併用」しているからです。

確かに、電子黒板は「理解する(わかった気になる)」ツールとしては結構強力だと、私も思うのですが、学習というのは理解した後、「記憶」として定着化し、「応用」できるようになって初めて習得した、と言えるのではないでしょうか。

そのためには、やっぱり先生が黒板に板書し、それを生徒がノートなどにまとめるプロセスが、絶対必要なのです。
このことは、実際に現場でICT教育を進める多くの先生方も認めるところです。

そして電子黒板を導入すると同時に、既存の黒板を撤去してしまった、という学校を、国内では私はまだ見たことがありません(絶対無い、と言い切れないところがつらいところですが、この辺りは業界で情報を共有していくしかありませんね)。

したがって、従来の黒板が消えつつある、というのは正確ではありません。
とはいえ少子化の中、教育業界全体が構造的な不況である以上、市場が縮小していることは事実です。

誰もが学校生活で触れ、愛されてきた黒板を、過去の遺物にしてはならない。

僕たち黒板業界に身を置く者は、黒板を始めとするアナログツールが持つ、本来の良さをもっとアピールし、もっと有効に、もっと気持ちよく使ってもらえる製品に進化させるべく、生き残りを賭けて取り組まなければならない。

それが使命だと思っています。




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[ 2015/02/09 ] 業界のおはなし | TB(-) | CM(1)

黒板業界の市場規模について

hyumenzai.jpg

よく聞かれるのですが、黒板業界の規模ってどれくらい?

今までざっくり100億円弱ぐらいですかねー、と答えていたのですが、
この度、「全国黒板工業連盟」という業界団体が、調べてくれました!

ちなみに数字はあくまでも、製品の表面材(一般的には厚さ0.4mm
前後の鉄板)で、国内で流通する主要表面材メーカー3社の出荷
平米数の合計。

金額で把握するのは、やはり難しいようです。

平成25年の黒板表面材の国内出荷総量は、約19万平米。

ピンと来ないかもしれませんが、一般的に学校などで使われる
黒板の寸法は、縦1.2m×横3.6mですから、これに換算すると、
4万4千枚(!)に相当します。

新設と貼り替え(これはまたそのうちお話します)が混ざっているの
ですが、結構びっくりな数字。

一方、ホワイトボードの方は、一昨年、約40万平米出荷しています。
黒板との比率はだいたい2:1で、ホワイトボードの方が多いのです。

ちなみにホワイトボードは一般的に、黒板ほど大きなサイズはあまり
量が出ません。

オフィスの会議室などには、縦0.9m×横1.8m(たたみ1畳分)や、
縦0.9m×横1.2mくらいのサイズが良く使われます。

たたみ1畳分換算だと、約25万枚に相当するので、これまたびっくりな
数字です。

IT技術が進歩するなか、黒板やホワイトボードを、使って下さっている
お客様が、こんなにたくさんいらっしゃることに、あらためて感謝です。

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[ 2015/02/05 ] 業界のおはなし | TB(-) | CM(0)